先日胃がんについて、NHK「今日の健康」でお話がありました。
なんと！広島大学病院の伊藤公訓ドクターの話では、胃がん発症原因の99％がピロリ菌だそう。そして塩分の取り過ぎ、喫煙、加齢が危険性を高めているそうです。

ピロリ菌は、口から入ってくるようですが、経路はあまりはっきりしていません。
でも、今の60歳以上の70％の人が感染していて、中学生は数％なので、水道水などが関係しているのかもしれないとのことでした。

胃袋の壁は、胃液→粘液→粘膜となっていて、ピロリ菌は粘液の部分に住みつきますが、まわりにアンモニアをまとっています。そのため長く住みつかれていると、粘膜がやられて穴があき、潰瘍ができたり胃がんになったりします。

みぞおちが痛いという人は、すぐに内科を受診したほうがいいとのことです。

でも、ピロリ菌がいても症状が出ない人が多いので、40歳を過ぎたら全員に検査を受けてほしいとのこと。40歳から胃がんの患者さんが増加してくるそうですよ！

もし何の症状もないという人は、人間ドッグや地域の自治体でやっている検査などで調べられます。

ピロリ菌がいるかどうかの検査は、4種類。これらを適宜組み合わせて調べます。
１．内視鏡検査・・・・・粘膜を切り取って調べる
２．尿素・平気試験・・・息を調べる
３．抗体検査・・・・・血液や尿を調べる
４．便中抗原検査

もしピロリ菌が胃の中にいたら、それは病気という事。除菌治療を始めます。

除菌治療は、まず1回目の除菌「第1次除菌」をします。これは、3種類の飲み薬を1週間（7日間）1日2回服用し、4週間期間をあけてから、ピロリ菌を除去できたかどうか検査し判定。

この1回目で成功せず、まだ菌が残っていたら、次は「第2次除菌」。また3種類の飲み薬（2種類は第1次と同じ）を1週間服用し、4週間後にチェックします。

第1次除菌の成功率は、70％。
第2次除菌での成功率は90％（1回目でダメだった人の90％）。
つまり、ここまでで全体の97％ぐらいの人が、除菌に成功するんですね。そして、この第1次除菌と第2次除菌の治療費は、保険診療の対象。つまり健康保険を使うことができます。

もし2回目の除菌で成功しなかったら、第3次除菌がありますが、これは保険診療の対象外。つまり健康保険では払えないので、自費という事になります。

保険診療で除菌治療ができるなら、ピロリ菌がいるかどうかぜひ調べておきたいですよね。何しろ、胃がんの原因の99％ということですから！

でも、ここでちょっとショックなことが・・・。
ピロリ菌を除去したからと言って、もう胃がんの心配がなくなったということではないそうです。

ピロリ菌が長く胃にいた場合、除去してもその影響が残っていて胃がんになってしまうこともあるそうです。だから、なるべく早く、少しでも若いうちにピロリ菌を除菌してしまう方がいいんですね。

ピロリ菌が住んでいる胃の壁は、写真で見ると、赤く腫れぼったくなっています。除菌すると、きれいな薄いピンク色になり、すっきりしています。

ちょっと胃がおかしいという人は、ぜひ、ピロリ菌を疑ってお内科を受診してみましょう！

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